【支援者向け】就労選択支援のアセスメントで何が分かる?模擬作業・質問紙の見方と引き継ぎのコツ

就労選択支援のアセスメントは、就職の合否を判断するためのものではなく、本人が力を発揮できる条件(配慮・環境・支援の形)を整理し、次の選択肢へつなげるためのプロセスです。
本記事では支援者の方向けに、模擬作業・質問紙/ツール・行動観察で「何が分かるか」と、結果を次の支援へ渡すときの言語化のコツをまとめます。

アセスメントで見る観点(作業・対人・環境・疲労など)

EXP立川の就労選択支援では、専門的な質問紙やツールを使いながら、模擬作業や対話を通じてご本人の特性や考えを整理していきます。
支援者の方が紹介判断や引き継ぎに活用しやすいよう、観点別に「方法/分かること/活用例」をマトリクスにまとめました。

※下記は「実施する場合がある例」です(状況に応じて組み合わせます)。
※医療的な診断を行うものではなく、就労に向けた支援方針・環境調整を検討する材料として活用します。

就労選択支援サービス向けアセスメントマトリクス(EXP立川)

模擬作業の位置づけ(評価ではなく“気づきの材料”)

模擬作業は「できた/できない」を判定するためではなく、本人の強みが出る条件とつまずきが起きる条件を切り分けるために行います。ここが整理できると、次の支援(就労移行・A型B型・就職等)での支援設計が具体になります。

EXP立川で行う模擬作業の例(※一例)

  • 軽作業:アイロンビーズ
  • 軽作業:パンフレット折り
  • 事務作業:請求書チェック
  • PC作業:入力(数値入力/文章入力)

模擬作業で見えやすいポイント(支援に直結)

  • 時間意識:終了時刻の切り替えができるか(タイマーや予告で安定するか)
  • 援助要請:困りごとが出た時、相談が出るまでの時間
  • 指示理解:一度で入るか、文書化・視覚化で入るか
  • 品質と速度:丁寧さが強みの場合、速度とのトレードオフをどう設計するか

整理結果を次の支援へ渡すコツ(言語化の粒度)

引き継ぎで最も役立つのは、「性格」や「能力」のラベルではなく、**再現条件(どんな条件なら安定するか)**が書かれている情報です。

書き方の型(C-B-I-S)

  • C(Condition:状況):どんな場面で
  • B(Behavior:行動):何が起きる(本人の反応・行動)
  • I(Impact:影響):結果どうなる(ミス、遅延、疲労 等)
  • S(Support:支援・配慮):どうすれば安定する(具体策)

悪い例(抽象)

  • 「報連相が苦手」
  • 「ストレスに弱い」

良い例(次支援が使える)

  • 「不明点が出た際、自己判断で進めてしまい相談が遅れる傾向。“10分悩んだら相談”のルールと、相談先を固定すると援助要請が出やすい」
  • 「作業に集中すると終了時刻を超えて続けやすい。タイマーと終了5分前の予告があると切り替えが安定」

この粒度で書かれていると、次の事業所・企業側がそのまま支援に落とし込めます。
(関連:就労移行支援など次の支援設計にも活用できます)→ https://exp.or.jp/

よくあるつまずきと工夫(支援者向け)

  • 検査や模擬作業の結果を“答え”にしてしまう
    → 興味・価値観・環境要因・疲労とセットで見て、「条件付きの結論」にする
  • 単発の結果で断定してしまう(体調や緊張の影響)
    → 当日の睡眠・通院・前日負荷なども含めて解釈する
  • 課題ばかりになり本人の納得感が下がる
    → 「強み(ストレングス)→課題→具体策」の順で共有する
  • 配慮が抽象的で次支援が使えない
    → C-B-I-S形式で「再現条件」に落とす

(参考)関係機関向けアセスメントシート(サンプル) 

  • キャプション例:※架空のサンプル(または個人情報を削除したサンプル)です。個人が特定できる情報は含みません。

動画でも解説しています!

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今回の「アセスメント」の内容について勉強会も開催予定です。

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