「こころのクセ」をリセット! ~認知行動療法で新たな自分発見~

皆さん、こんにちは!

精神保健福祉士の奥主(サービス管理責任者)です。

今回はタイトルにあるように認知行動療法をテーマにしたブログを書いてみました。

普段専門的な話をあまりしないので、ちょっとだけ今回は真面目に認知行動療法のお話をさせていただければと思います。

 

 

さて、オープン当時から認知行動療法のサービス提供をしているのになぜ今このようなブログを書いているかというと、私たちスタッフも日々研鑽を積み、利用者様によりよいものを提供していきたいという想いを知っていただきたいからです。

 

認知行動療法とは?

皆さん、認知行動療法という言葉を知っていますか?

Cognitive Behavior Therapy のことで、頭文字をとってCBTとも呼ばれます。

認知行動療法とは、考え方と行動のパターンを見直すことでストレスを軽減したり、気持ちを楽にしたりすることができる“心理療法”です。

“心理療法”って聞くと、「難しいことするの?」と思うかもしれませんがそんなことはありません。

 

例えば、

ミスをして上司から注意されると、「自分は何をやってもダメな奴だ」「自分の存在自体が会社にとって迷惑だ」と極端に考えて落ち込んでしまうことがあります。そうすると、かなり強めの負担が身体中にのしかかってくるのではないでしょうか。

でもまわりを見ると、同じようなミスをしていても上手く仕事をこなしている人がいます。彼らに聞いてみると、「同じミスをしないようにしよう」「このミスで逆に理解が深まった」などと答えています。

このように、出来事に対する意味づけの仕方によって、次に続いていく「感情」や「行動」のパターンも変化していくことが分かります。

すると不思議なもので、こころも連動して重くなったり軽くなったりするので、ストレスって自分の意味づけ次第で変わるもんなんだな!ということに気がつきます。

 

 

就労支援と認知行動療法の関係

就労に向けて認知行動療法を学ぶことはとても重要です。

職場や生活場面で遭遇するストレスや不安に対する新たな対処法を身につけて、自分の職業人生を無理せず長く続けていくことはQOL(生活の質)の向上には欠かせないことですよね。

たとえば、

  • 自分の思考パターンに気づくことができます
  • 自分にとっての「効果的な思考」「悪循環を生み出す思考」が見つかります
  • 問題解決に向けた行動のレパートリーが増えます
  • 自分への信頼感が増えて自己肯定感が向上していきます  などなど…

 

認知行動療法のスキルを日常に取り入れることで、生活のあらゆる場面で発生するストレスに柔軟でバランスよく対処できるようになり、結果として仕事を長く続けることができるようになります! 

 

セラピスト・トレーニング「体験記」

サービスの質を高めるために、EXP立川の支援スタッフはスキルトレーニングをおこなっています。

今回は、認知行動療法のスキルアップのためにスタッフ同士でおこなったセッションの内容を報告しながら、皆さんにも心理療法を身近に感じていただけたらと思います。

今後もスタッフがリレー形式でトレーニングの様子をお伝えさせていただきますが、まずは、わたくし(奥主)が実施した内容からお伝えさせていただきます。

 

テーマ:「義父との関係について」 ※スタッフAさんのお悩み

スタッフAさんの相談内容:

Aさんは義父との関係にとても悩んでいるそうです。

奥さまの実家に行くと会話をすることになりますが、なかなか噛み合わず、会話が続かない… というお悩みをもっていました。

そこで、義父さんの性格、Aさんの義父との会話のご様子などを聞き取りながら、ホワイトボードに書き出していきました。

 

 

 

 

「外在化の効能」→ 書き出し・眺めて・分かること

☆Aさんのできていることは?

・あいさつができている

・子どもが一緒のときには、子どもと一緒によい時間を過ごせている

・義母や姉弟とはけっこう仲良く話せている  などなど…

 

人間の身体は、生き延びることを命題に、リスクを中心に記憶したり反応している生き物だと分かります。

だからあえて「できている部分」に注目してみることで、自分に対する信頼感が上がっていくところがポイントです。

 

☆そして、Aさんはどうしたいの??

・義父と仲良くなりたい

・笑いあいながら話をしたい

・家族団欒で話がしたい

 

ストレス場面に対する理想的な状態を聞いて「目標」を定めていきます。

これはAさんの人生なので、Aさんがメインとなって進む道を決めてもらうところがポイントです。

 

「ひとつの疑問」 これって本当に望んでいること?

☆Aさんの認知(考え)

・義父との関係はとても大切だから仲良くならなければならない

・義父との関係を良くしなければ家族に受け入れてもらえない

 

☆奥主(セラピスト)からの投げかけ

・これってAさん、本当にしなければならないことなのでしょうか?

・義父との関係を良くしないと、本当に家族に受け入れてもらえないのでしょうか?

 

☆Aさんの頭の中でグルグルしている考え

・義父との関係はとても大切だから仲良くならなければならない

・義父との関係を良くしなければ家族に受け入れてもらえない

 

🌟この考え、実は、Aさんが想像でつくり出していた「べき思考」だと分かってきたのでした~🌟

 

 

「思考のクセ」にビックリしたAさん!?

★Aさん、戸惑いながらも少し晴れやかに語り出す

☆ 義父と仲良くしなければと思い込んでいました

☆ 実は、子どもを通してけっこう話せていました

☆ なんだかんだ家族メンバーとは仲良くできていました~~

 

★Aさんからの「深~い」気づき★

今までは自分ができている部分をまったく見ていませんでした。

そして、「義父と会話をしなければいけない」と勝手に思い込んでしまっていたことを今、ようやく理解しました!!

 

私(奥主)は、この時の Aさんの「ハッ!」とした顔が忘れられず、やっぱり人生の重要な転換期に立ち会うことが支援の仕事の醍醐味だよな! と思えた瞬間でした!

 

Aさんの「気持ち」の変化★

開始前:義父と会うことに対するプレッシャーがあった

終了後:「今のままでいいんだ」と気持ちが楽になった

 

まさに、自分への信頼感が増えて、自己肯定感が高まっていくプロセスを辿ることができました~

 

「行動」に移さないと解決しません!

★最後にセラピストから〆の質問

Aさん、前向きな気持ちの変化があり嬉しく思いますが、今後、義父さんとの関係をどうしていくつもりでしょうか?

 

★最後にAさんからの決意の言葉

実際にお正月に会うので、義父とは子どもを通じて会話し、適度な距離で関わっていきたい!

 

約45分のセッションでしたが、Aさんも満足そうなご様子で、セラピスト役の奥主も変化していくAさんを見ながらとても嬉しい気持ちになりました!!

やっぱりストレスを抱えてお悩みの方へ認知行動療法は有用ですね。

自分の人生を大切に考えるキッカケをつくり、納得のいく選択を自分で選んで進んでいくための大切なツールになることを実感しました!

 

 

まとめ  ~漢方のような効き方?~

今回は奥主がおこなった1例をご紹介させていただきました。

EXP立川では利用者の皆さまに最良のサービスを提供するために、このようなトレーニングを積み重ねています。

 

ただし、

「認知行動療法には即効性があるか?」と言われるとそうではありません。

じわじわ漢方のように効いてくるものです!!

 

 

自分がこれまで生きてきた価値観や考えはすぐに変化できるものではありません。

※今日まで箸を使っていたのに、今から使ったことがないフォークとナイフで一生食事をしなさいと言われても難しいですよね。

でも、ツラい経験をした時こそ、一旦 立ち止まって、自分の認知(考え)を振り返る時間をもってみると、少し違った結果につながるかもしれませんね。

 

病気や障害を持ちながら就職を目指す方へ「メッセージ」

一般的に就労移行支援では、PC訓練やビジネスマナーといったサービスが主流となっておりますが・・・

EXP立川では、就職した後の仕事の継続に向けた「心理プログラム」に力を入れているところが特長です。

公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士などの専門的な資格を保持したスタッフが、利用者の皆さまの就労継続に向けて、新しい自分を発見するためのサポートに力を注いでいます。

 “あなたの不安を少しずつ解消するために、認知行動療法を取り入れてみませんか?”

 

 

EXP立川では、認知行動療法の他にも様々なプログラムを実施しております。

ぜひ、プログラムの見学や体験にお越しいただきたいと思います↓

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全力でサポートさせていただきますので、お困りのことがありましたらご連絡お待ちしております!!

それでは、皆さま次回の「セラピスト・トレーニング体験記」もお楽しみに♪

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