【生活困窮者自立支援法と生活保護制度】
こんにちは!
涼しい日が増えてきました!ついこの間まで、暑くてたまらない日々が続いていたのがうそのようですね💦
不況が続いていますね。こんな時代だからこそ…ある日、突然、会社が倒産したり「働きたくても働けない…」「住むところがない…」などあるかもしれません💦。
もしもの時のために、知っておきたい制度を2つご紹介します。
【生活困窮者自立支援法】
2015年4月に施行された制度で、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対して、自立相談支援事業の実施、住居確保給付の支給その他の支援を行うための措置を行うものです。
働きたくても働けない…、住むところがない…、などでお困りの場合は、まずはお住いの市町村(自立支援機関窓口)へ相談してみてください。
『必須事業として』
①自立相談支援事業
生活に困りごとや不安を抱えている場合は、まずは、地域の市町村の相談窓口まで。支援員が相談を受けて、どのような支援が必要なのか一緒に考え、就労その他の自立に関する相談支援、事業利用のためのプランを作成等を行います。
②住居確保給付金
離職などにより住宅を失った方、または失うの可能性の高い方には、就職ヘ向けた活動をするなどを条件に、一定期間、家賃相当額を支給します。生活の土台となる住居を整えた上で、就職へ向けた支援を行います。
『その他任意事業として』
①就労準備支援事業
社会、就労への第一歩として「社会との関わりに不安がある」「他の人とうまくコミュニケーションがとれない」など、直ちに就労が困難な方に6か月から1年の間、プログラムにそって、一般就労ヘ向けた基礎能力(日常生活自立、社会生活自立)の段階から訓練をし、就労機会の提供を行うものです。
②一時生活支援事業
住居の無い方に対して、一定期間、宿泊場所や衣食の提供するものです。退所後の生活へ向け、就労支援等の自立支援を行います。
③家計相談支援事業
家計の立て直しをアドバイスするものです。家計状況の根本的な課題を把握し、ご本人が自分で家計を管理できるよう、状況に応じた家計相談、家計管理に関する指導や貸付のあっせんなどを行い、早期の生活再生を目指します。
④就労訓練事業
柔軟な働き方による就労の場の提供を行います。すぐに一般就労することが難しい方へ、その方に合った作業を提供しながら、個別の就労支援プログラムに基づき、支援を中・長期行います。
⑤学習支援事業
子どもへ学習支援をはじめ、日常的な生活習慣、仲間との出会い活動ができる居場所づくり、進学に関する支援など子どもと保護者の双方に必要な支援を行う。
上記の制度について、お住いの市町村へお問い合わせいただくと、自立相談支援機関相談窓口について案内をしてもらえます。
【生活保護制度】
『制度の趣旨』
日本国憲法第25条に規定する生存権保障の理念を具体化するために生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
『相談・申請窓口』
生活保護の相談・申請窓口は、現在お住いの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当となります。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。
※福祉事務所を設置していない町村にお住いの方は、町村役場でも申請の手続きを行えます。
『生活保護を受けるための要件・生活保護の内容』
生活保護は世帯単位で行い、世帯全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活維持のために活用することが前提です。※1また扶養義務者の扶養は、生活保護法よる保護に優先します。
『資産の活用とは』
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活保護に充てる必要があります。
『能力の活用とは』
働くことが可能な方は、その能力がある限りは働くことが求められます。
『あらゆるものの活用とは』
年金や手当など他の制度で給付を受けることが出来る場合は、まずそれらを活用することが必要です。
<※1扶養義務者の扶養とは>
親族から援助を受けることが出来る場合は、援助を受けることが優先されます。
その上で、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
〇お住いの地域の級地を確認 🌸https://www.mhlw.go.jp/content/kyuchi.3010.pdf
〇生活扶助基準額について 🌸https://www.mhlw.go.jp/content/kijun.3010.pdf
☝上記の計算式に合わせて最低生活費認定額を算定します。世帯構成に合わせて、世帯員の該当する年齢別・級地別の加算額を加えたりするんですね。
<支給される保護費>
厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
<保護の種類と内容>
生活を営む上で必要な各種費用に対応して扶助が支給されます。
①生活扶助…食費・被服費・光熱費等
②住宅扶助…アパートの家賃
③教育扶助…義務教育を受ける為に必要な学用品費
④医療扶助…医療サービスの費用(本人負担なし)
⑤介護扶助…介護サービス費(本人負担なし)
⑥出産扶助…定められた範囲内で実費を支給
⑦生業扶助…就労に必要な技能の修得等にかかる費用
⑧葬祭費用…定められた範囲内で実費を支給
※就労自立給付金…安定した仕事に就いたこと等により保護を必要としなくなった者に対して、保護廃止時に保護受給中の就労収入の一部を支給する自立を促進することが目的の制度もあります。
『生活保護の手続きの流れ』
1、事前の相談
生活保護制度の利用を希望される方は、お住いの地域を管轄する福祉事務所の生活保護担当までお尋ねください。生活保護の説明や生活福祉資金・各種社会保障施策などの活用についても一緒に検討してくれます。
2、保護の申請
生活保護の申請をされた方については、保護の決定のために以下のような調査を実施します。
〇生活状況などを把握するための実地調査(家庭訪問など)
〇貯金額、保健、不動産の資産調査
〇扶養義務者による扶養(仕送りなどの援助)の可否の調査
〇年金などの社会保障給付、就労収入などの調査
〇就労の可能性の調査
3、保護費の支給
〇更生労働省が定める基準に基づく最低生活費から収入(年金や就労収入など)を引いた額を保護費として毎月支給されます。
〇生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申請します。
〇世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行います。
〇就労の可能性のある方については、就労に向けた助言や指導が行われます。
『相談・申請に必要な書類』
保護の申請にあたっては、必要な書類は特別ありませんが、保護制度の仕組みや各種社会保障施策の活用について十分な説明を行うためにも、生活保護担当窓口での事前の相談が大切です。
「あらゆるものの活用」☝と上記にあったように、先に他の社会保障制度を活用することが前提となっており、生活保護制度は最後の最終手段として、国民の最低生活を保障するための制度ということになります。
なお、生活保護の申請をした後の調査において、世帯の収入・資産などの状況が分かる資料(通帳の写しや給与明細など)を提出することがあります。
『生活保護制度に関するQ&A』(参考までに)☞🌸https://www.mhlw.go.jp/content/QA3010.pdf
参考・引用 厚生労働省 ホームページ 「生活困窮者自立支援法」 「生活保護制度」について
最後の最後の手段になるかもしれませんが、努力してもどうにもならない時もあります。
制度はそんな時のためのもです。窮地に追い込まれた時は確認をしてみてください。離職したら収入がなくなるのは明確なことです。
就職活動をする際に、収入がどうしようもなくなり、立ち上がるための手段として実際に一時的に活用される方もいらっしゃいます。
制度は、申請主義です。
知っていないと申請できません💦
自立のための1つの手段としていざという時に活用できるように、知っておくと役に立つかもしれませんね。