「しくじり経験」を活かして
本当に大切な「働きつづける力」を伝えたい

EXP立川のピアサポーター『小鳥遊(たかなし)さん』にお話しをうかがいました。

ADHD当事者として仕事術本4冊の著者でもある小鳥遊さんに、障害を持ちながらも職場で長く働きつづけるための秘訣を語っていただきました。

 

しくじり経験が「働き方の知恵」に変わるまで

― まずは自己紹介からお願いします。

小鳥遊(たかなし)と申します。本名は高梨健太郎(たかなし・けんたろう)です。
発達障害(ADHD)の当事者で、会社員として3社を経験したのち、現在はフリーランスとして活動しています。

ただ正直に言うと、最初の2社では仕事がうまくいきませんでした。
「忘れっぽい」「先送り癖」「段取り下手」… 自分をダメな奴だと責めてしまい、ADHDが原因の適応障害で休職したこともあります。

でも「どうにか普通に働きたい」と思い、試行錯誤を重ねました。

 

① 仕事を「細かく分解」して書き出す

② 途中の「締切」も設定する

③ 安心して忘れるために「記録」する

 

これらを徹底したところ、仕事がスムーズに回りはじめました。
後にそれを「タスク管理」と呼ぶと知り、「同じ悩みを抱える人の役に立てるかもしれない」と思って活動を始めました。

その集大成として出版した『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(サンクチュアリ出版・2020年)は、12万部を突破するまでになりました。

 

“あいだ” に立つ、特別なポジション「ピアサポーターの役割」

― EXP立川では、どんな役割で利用者の皆さんの就労をサポートしていますか?

最初は月1回「しくじり先輩」として、自分の失敗談を赤裸々に語るプログラムから始めました。

今では月6回ほどプログラムを担当しています。
仕事の段取り法である「タスク管理」や、ADHDとしての仕事術に関するプログラムが2回。残り4回は障害を持ちながら仕事をすることについて、利用者のみなさんと一緒に考える内容になっています。

自分の立場は「利用者の皆さん」と「支援スタッフ」との"中間"だと思っています。当事者としての挫折経験のリアルさを持ちながら、会社員として安定して働いていた経験もある。その両方を伝えられることが最大の役割だと感じています。

 

― 小鳥遊さんといえば「タスク管理」の第一人者というイメージですが、そのようなことを教えてもらえるのでしょうか?

やっぱり、タスク管理の有用性をお伝えしたいですね。
実際のプログラムでは、私が発案した「タスクペディア」という ‶タスク管理の習得を支援するWebツール” を使いながら進めています。

これは、発達障害の当事者として私自身が工夫してきた仕事を円滑に進める方法をカタチにしたものです。

単なる「やることリスト」ではなく、細かい段取りまでサポートしてくれるツールなので、仕事や生活をスムーズに回すための強い味方になります。

また、障害について考えるプログラムは、就労移行の枠を超えて「当事者会」のような雰囲気になることもあります。時に議論が白熱し、参加者同士が深く学び合う瞬間があり、とても有意義です。

 

「自走できる力」を育てる “EXP立川だけ” の特別なサービス

― 色々な経験をしてきた小鳥遊さんが考える “長く働き続ける秘訣”、こっそり教えてください!

「合理的配慮をシンプルに絞る」ことだと思います。
私自身、職場での配慮は「怒らないでほしい。改善点があれば提案の形で伝えてほしい」という一点だけにしました。

そのためには「自己理解」と「スキルで補える部分を把握する」ことが不可欠です。

できること、できないことを整理し、できない部分は工夫やツールで補う。それでも難しい部分だけを配慮としてお願いする。
こうした整理ができると、職場での人間関係もシンプルになり、働きやすくなります。

 

― ズバリ! EXP立川のプログラム、ここは他には負けないぞってポイントは?

やはり「タスク管理を学べる」点をおススメしたいです。
ここまで徹底して『仕事術』に取り組んでいる就労移行支援の事業所はないと思っています。

また、私のような障害当事者がファシリテーターを担っていることも特徴です。
参加者のみなさんが「自分だけじゃない」と実感でき、安心して自己理解を深められると思います。

さらに、EXP立川は国家資格を持つ公認心理師/臨床心理士による「認知行動療法」や「SST」など、専門性の高いプログラムも豊富です。

また生活面に関しても、精神保健福祉士などのソーシャルワーカーが社会保障制度やカウンセリングなどの有益なサービスの橋渡しをしてくれます。

でも一番大きな魅力は「自主性を大切にしていること」だと私は思っています。
EXP立川は、ただ単に就職率を高めるのではなく、利用者のみなさまが『自分で選び・考え・決める』。そのプロセスを丁寧に支えてくれるのが最大のポイントになります。

心を鬼にしてお伝えしたいことは、一般就労では常に支援者が隣にいるわけではありません。
だからこそ「自走できる力」を育てる場として、この自主性重視の姿勢が重要だと感じています。

 

― 最後に、EXP立川のご利用を迷っている皆さんへのメッセージをお願いします!

まず、就労移行支援を「利用してみよう」と考えられた時点で、自分を前に進めようとしている証拠です。
その一歩を検討しているご自分をぜひ誇りに思っていただきたいと思います。

そして次は「どこを選ぶか?」という段階になります。
私は、できるだけ多くの事業所を体験して、自分の感覚を大事にして選ぶことをおススメします。

その上でEXP立川の特徴をひと言で表すと「自由」です。
自由といっても放任ではなく、自己決定を積み重ねる環境があるということです。
どんなプログラムを受けるか、どんな企業に応募するか、最終的に決めるのは利用者のみなさん自身です。

支援は厚くても「自分で決める」経験を重ねられる場所。
それが、就職先での『長く働き続ける力』につながると信じています。

もし興味を持っていただけたなら、一度体験プログラムにいらしてください。
一緒に話し、考え、未来へ進んでいきましょう!

 

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