人と話せなかった私が希望を持てた再出発の道

社会不安障害/複雑性PTSD/ASD
男性/30代
サテライトオフィスの事務職(2年:在職中)
正社員(障害者雇用)
EXP利用歴:36ヶ月
虐待やネグレクトの影響から人と関わることが怖く、声が出なくなり、働く自信を失っていた利用者さん。EXP立川で信じられる支援員との出会いから、少しずつ価値観が変わっていった日々を伺いました。
―EXP立川を利用する前は、どんな状況でしたか?
以前は食品加工の仕事をしていましたが、人の目を見ることも話すこともできず、身振り手振りでなんとかコミュニケーションを取っていました。やがて対人緊張や認知の歪み、解離症状(が重なり、週5日勤務から週1日に減らしてもらうほど限界を迎えました。「それでも働かなきゃ」と思っていましたが、当時のカウンセラーから「まずは就労移行支援で土台を整える方がいい」と勧められ、いくつか見学した中で雰囲気の合うEXP立川を選びました。
―当時抱えていた症状や困りごとは?
幼少期の虐待やネグレクトの影響で、認知の歪みや自己肯定感の低さがずっと続いていました。中学に上がった頃、急に周囲と話せなくなり、緊張すると声が出なくなることも。人と話すこと、関わること自体が怖くなり、そんな自分を否定する気持ちが強かったんです。「普通に話せる自分になれたら楽になる」という極端な目標を掲げ、接客のアルバイトや本で読んだ方法を試しましたが、改善はわずかで苦しさは変わりませんでした。
―EXP立川で役立ったトレーニングは?
CBTやSST、アサーティブコミュニケーションなど多くのプログラムに参加しましたが、一番大きかったのは人間関係に対する価値観の修正ができたことです。それまでの私は、人を「敵か安全か」で判断し、信頼や信用を理解できずにいました。しかし、EXP立川の支援員さんは損得抜きで相談に乗り、面接に同行してくれたときも自分のことのように喜んでくれた。その姿勢を見て「信頼できる関係ってこういうことなんだ」と気づき、少しずつ真似しながら学び直すことができました。
―個別サポートで印象に残っていることは?
現在は月1回の定着面談で、仕事や生活の状態を一緒に振り返っています。抑うつや体調不良で休むこともありますが、面談で対策を相談するうちに休む回数が減りました。さらに、支援員から複雑性PTSDの可能性を指摘され、専門カウンセリングにつながったことで、自分の症状をより正確に理解できました。治療を続ける中で、「体調不良は怠けではなく、背景に理由がある」と認められるようになり、気持ちが楽になりました。
―最後に、利用を検討している方へメッセージをお願いします。
準備が整っていなくても、怖くても大丈夫です。一歩踏み出せば、支えてくれる人が必ずいます。私自身、不安のまま始めましたが、その一歩が自分の価値観を変えるきっかけになりました。


