就活の焦りが消えて、自分を責めずに働けるように

ADHD
男性/30代
不動産系の事務職(1年8ヶ月:在職中)
正社員(障害者雇用)
EXP利用歴:14ヶ月
転職を繰り返し、就活を焦り、自信を失ってしまった元利用者さま。EXP立川で「相談する力」を身につけたことで、少しずつ前に進めるように。その変化のプロセスを伺いました。
―EXP立川を利用しようと思ったきっかけは何でしたか?
社会人になってから、ケアレスミスが多くて…。どんな業務でも、何かしら抜けや漏れが発生してしまうのが悩みでした。
マルチタスクになると、やること自体を忘れることもありましたし、「あれもこれもやりたい」という気持ちばかりが先行して、集中できないことも多くて。
ストレス耐性も低く、人に相談するのも苦手で、結果として6社を転々とすることに。転職歴が増えるほど履歴書がコンプレックスになっていきました。
―症状としてはどんな特徴があったのでしょうか?
ADHDと診断されたのは社会人になってからです。子どもの頃は遊びたい放題で、困っている自覚はありませんでした。
一つのことに集中するのは得意だったんですが、その分、周囲が見えなくなることも…。先延ばしのクセもあって、いつも課題はギリギリでした。
―EXP立川で役立ったトレーニングにはどんなものがありましたか?
事務職の体験や所内実習を通じて、実際の仕事で起きるミスに気づけたのは大きかったです。たとえば、文書のチェックで下から逆に読み返すとミスに気づきやすいと教わり、実践しています。
認知行動療法では、過去の仕事の失敗を取り上げて、「どこがダメだったか」ではなく「違った見方はできなかったか?」と考えることで、視野が広がっていきました。自分の問題を他人と共有することで、思いがけない発見も多くありました。
―個別サポートで印象に残っていることはありますか?
通い始めた当初、スタッフの方に「就活を焦っていますね」と言われたんです。まさにその通りで、少しでもブランクを短くしたくて、毎週10件以上の求人に応募していました。でも、実は“今すぐ就職”よりも、「過去の仕事から何を学ぶべきか」を整理する時間が必要だったんだと気づかされました。
そして、私にとって一番の学びは「相談すること」でした。これまで誰にも頼れず一人で抱え込んでいたのですが、EXPではスタッフとの面談を通じて『相談する練習』ができたんです。そのおかげで少しずつ落ち着いて、就活に向き合えるようになりました。
―現在のお仕事では、どんなことを感じていますか?
ある程度仕事ができるようになった分、今度は「なぜこの人はできないの?」と感じることも増えてきて…。周囲を引っ張るような立場になった戸惑いもありますし、逆に自分がミスをすると自己否定が強く出てしまうこともあります。
でも今は、EXPの定着支援(職場定着に向けたサポート)で毎月相談に乗ってもらっているので、何とかバランスを取りながら頑張れているところです。
―最後に、EXP立川の利用を検討している方へメッセージをお願いします。
EXPでは「気づき」をたくさんもらえました。一人で就活を続けていたら気づかなかったであろう、自分の課題や対処法です。
最初からやる気に満ちていなくても大丈夫。自分のペースで、就労というテーマに向き合い続ければ、きっと『自分らしく働ける場所』に出会えると思います。
そして、その出会いがまた、新しい気づきを運んでくれて、私たちの成長を後押ししてくれるはずです。



