怒られてばかりの毎日から、“働ける自分”へ

ADHD/ASD
男性/20代
重工業系の事務職(半年間:在職中)
契約社員(障害者雇用)
EXP利用歴:1回目:17ヶ月、2回目:11ヶ月
EXP立川で “自分を知る” ことから始まったリスタート。一度、障害のことは伏せたクローズ就労にチャレンジしたものの退職された利用者さまです。その後もう一度、EXP立川でトレーニングを重ねることで、今度はオープン就労でお仕事されています。ご自身の特性や経歴をせきららに語っていただきました。
―EXP立川を利用しようと思ったきっかけを教えてください。
「自分にはADHDの特性によるマイナス面はあるけれど、プラス面で補えているから大丈夫」と思っていたので、障害とは思っていませんでした。ただ、就職は一人では難しいと感じて、就労移行支援を使おうと考えました。
―当時、どのような困りごとがありましたか?
とにかく「自分に甘く、他人に厳しい」性格で…。感情的に物事を決めつけたり、相手の話を最後まで聞かずに割り込んで話したり。仕事でミスをしても報告せずに隠そうとして、後から大ごとになることもよくありました。
夜更かしや寝坊も多く、業務量が増えると焦って単純ミスが続出。でもその原因を会社のせいにして、「自分は悪くない」と思い込んでいたんです。
―過去のエピソードにも、その特性が表れていたんですね。
そうですね…。幼稚園では年上の子を叩いて気絶させたり、小学生では列を乱した同級生を殴って並ばせたり。今振り返ると、周囲とのズレがあちこちにあったと思います。
―EXP立川では、どのようなトレーニングが役立ちましたか?
まず、CBT(認知行動療法)で「事実・主観・感情を分ける」練習をしたことで、支離滅裂だった思考を整理できるようになりました。自分の思考のクセや感情も、点数を付けて数値化しながら把握できたことで、「あぁ、自分は極端な発言が多いんだな」と客観的に気づけるようになりました。
PREP法(結論→理由→具体例→結論)を学んでからは、話が長くなっても内容がぶれず、面接でもしっかり伝えられるようになりました。
タスク管理もすごく役立ちました。以前はすべての仕事を頭の中の記憶だけでやろうとして混乱していたのですが、今はタスク管理術を使って「覚えなくていい仕組み」に変えたことで、ミスが激減しました。
―個別のサポートはいかがでしたか?
私は隙あらばサボったり、優先順位を見失いがちだったので、「定期的な面談」や「スタッフからの声かけ」がすごく支えになりました。これはADHDの報酬遅延の障害の部分ですが、スタッフさんのサポートを受けながら一緒に乗り越えられたと思います。
―現在のお仕事では、どのように学んだことを活かしていますか?
Excelでタスク管理表を作って、進捗や予定を見える化しています。次に何をするか迷わず、抜け漏れもなくなり、仕事に集中できるようになりました。
―最後に、利用を検討している方へメッセージをお願いします。
以前の私は、毎日怒られてばかりで「自分はダメだ」と思っていました。でも、EXP立川で自分や他人の特性を知るうちに、少しずつ『良いところ』も見えてきたんです。それを活かして、今では安定して働けています。
通所当初は「早く就職しなきゃ」と焦っていましたが、同じように悩んでいる仲間がたくさんいて、「一人じゃない」と思えたことも心強かったです。 スタッフさんたちもとても優しく、親身になってくれます。まずは気軽に見学や相談をしてみてください。一歩を踏み出すだけで、景色が変わりますよ。



