小林さん(精神保健福祉士・ピアサポーター)

「一歩踏み出したいあなたへ」ピアサポーターとしての想い
- ピアサポーター 小林さん
- 精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター
- 2015年9月入社
-簡単な自己紹介をお願いします。
EXP立川でピアサポーターを務めております、小林です。
2015年に社会福祉法人SHIPへ入職し、11年目を迎えました。
最初はグループホーム「サクレ江戸川」で生活支援員のアルバイトとして働き始め、その1年後には正社員に。その後は、就労継続支援B型「エスプリドゥ」、そして再びサクレ江戸川67棟でサービス管理責任者を務めてきました。
日々、利用者の方と向き合い、頼れるスタッフと一緒に歩んできた日々は、私にとってかけがえのない時間でした。
そして今は、当事者の視点を大切にしながら、EXP立川でピアサポーターとして活動しています。
私自身の体験が、誰かの「もう一度やってみよう」という気持ちにつながれば嬉しいです。

-EXP立川では、どのような役割をされていますか?
主に、次の3つの役割を担っています。
1、支援を必要としている人とEXP立川との出会いのきっかけをつくること
2、自分の経験を伝えることで、不安の渦中にいる人たちへ安心や希望を届けること
3、当事者の声を、支援や職場づくりに活かしていくこと
一方通行の「教える・啓発する」ではなく、「ともに考える」「一緒に悩む」ことを大切にしています。
-ご自身の特性と、仕事上の困りごとはありますか?
私の特性は、「完璧主義」「心配性」「好奇心旺盛」「先走りやすい」といったものです。
たとえば、「仕事は100点じゃないとダメ」と自分を追い込みすぎてしまったり、「これ面白そう!」「これも必要かも!」と仕事を抱え込みすぎてパンクしたことも…
でも、そんな自分の特性を否定するのではなく、「どう付き合うか」を考えるようになってから、働くことがだいぶ楽になりました。

-長く働き続けるために、何が必要だったと感じますか?
▸ 足りなかったもの
社会福祉法人SHIPの入社前は「何でも引き受けるのが正解」だと思っていて、スタッフの育成から細かな業務まで、気づけば全部自分で抱え込んでいました。その結果、疲れ果ててしまいました。
でも、SHIPに入ってから「課題の分離」や「こころの境界線(バウンダリー)」という考え方を学び、自分の役割を線引きすることの大切さを知りました。
▸ 身につけたこと
この法人では、「根拠をもって考え、行動する」ことをとても大事にしています。
私自身も、森田療法や認知行動療法、タスク管理術などを活かして、「自分の感情に振り回されない働き方」を意識するようになりました。すると、自然と長く働き続けられる力が育ってきたように感じます。

-ピアサポーターとして、どんなことを大切にしていますか?
「当事者だからこそ伝えられること」があると思っています。
これまでに、メンタル不調を抱える企業の管理職の方や、人事担当者、精神科病院でのイベントなどで、自分の体験をお話しする機会をいただいてきました。
また、法人の中でもメンタル面に不調を感じる仲間が出てくることもあります。そんな時は、EXP立川のプログラム「折れない心の育て方」を紹介したり、一緒に考える時間をつくったりしています。
「しんどい時、誰かに話を聞いてもらえるだけで気持ちが変わる」―そんな経験を、私自身もしてきました。
だからこそ、これからも、もやもやした気持ちや整理できない悩みを、見える形にするお手伝いができればと思っています。

-就労移行支援を検討している方へ、メッセージをお願いします。
「もう一度、働いてみよう」
そう思ったとき、期待よりも不安が大きくなってしまうことはありませんか?
「また同じことになるのでは…」
「職場の人間関係、大丈夫かな…」
「ちゃんとやっていけるのか…」
その気持ち、私も何度も経験してきました。
でも、働き続けるために必要なのは、完璧なスキルや強い心ではありません。
ちょっと考え方のクセに気づいたり、感情との付き合い方を覚えたり、自分の限界を受け入れること、そういった「自分を守る技術」を少しずつ身につけることが大切です。
EXP立川は、それを一緒に練習できる場所です。
「再就職すること」がゴールではなく、「自分らしく長く働き続けること」が本当に大事なことだと思っています。
どうか焦らず、ご自身のペースを大切にしてください。
そしてその一歩を、EXP立川はいつでも応援しています。
このインタビューだけでEXP立川の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。



